1. Context — 背景
百貨店系化粧品ブランドの購買部門。同社の需給・購買領域を支援するなか、購買業務そのものの流れを整理したいという相談から始まった案件である。
2. Challenge — 課題
購買部門の中には、性質の異なる業務が混ざり合っていた。フォーキャストや供給計画を立てる「計画」の意思決定業務。ERPでの入荷・仕入処理やマスタ登録といった「実行」業務。仕入れ予算を管理しフィードバックする「管理」業務。これらの分界点が曖昧なまま個人に紐づいており、業務の重複と抜け漏れが構造的に発生していた。
さらに、フォーキャストをもとに発注数を決定するという購買の中核業務に、拠り所となる方針も業務フローもドキュメントが存在しなかった。判断は個人の経験に依存し、その人が居なければ業務が揺らぐ状態だった。
引き受けた問いは、個々の業務を効率化することではなく、業務の地図そのものを描き直し、誰が何に責任を持つのかの線を引き直すことである。
3. Approach — アプローチ
- フレームワークによる業務の分類 — サプライチェーンマネジメントの国際資格CSCPの体系を枠組みに、購買業務を計画系・実行系・管理系の3層に分類。雑多に混ざっていた業務を、性質の違いで整理する土台をつくった
- 業務の棚卸しと論点整理 — 3層の枠組みの上で、現状どのような業務があり、誰が対応しているのか。本来は誰が対応すべきか。そして、本来やるべきなのに行われていない業務は何か —— 現状と理想のギャップを論点として可視化した

- 発注業務のワークフロー・ロジック整理 — 発注数決定という中核業務について、判断の拠り所となるワークフローと発注ロジックを整理。個人の経験への依存度を下げ、チームで引き継げる形にした
4. Impact — インパクト
「誰が・何を・なぜやるのか」が地図として共有されたことで、重複と抜け漏れの構造的な原因が解消に向かった。属人化の解消は、担当者を責めることではなく、業務の境目を設計し直すことから始まる。この整理は、同社との継続的な支援の一部として、需給の仕組みづくりを足元から支えている。
