株式会社クオラート/国際芸術文化交流センター牧田レゾナンス

構想を、事業として立ち上げる——廃校を舞台にした国際芸術文化交流センターの事業化支援

Period約8ヶ月、継続中
Role事業スキーム整理/収支モデル構築/補助金リサーチ・選定/申請書作成支援
Team株式会社クオラート、Xcraft
事業計画策定 収支モデル設計 地域事業者連携 補助金申請支援

1. Context — 背景

岐阜県大垣市上石津町の旧牧田小学校を、株式会社クオラートと一般社団法人MOF MUSEUM NAGOYAが大垣市から借り受け、国際芸術文化交流センター「牧田レゾナンス」として立ち上げる構想が進んでいる。全体構想を描いているのは、クオラート代表で現代アーティストの水谷イズル氏である。韓国国立現代美術館や国立ロシア美術館での展示をはじめ海外での発表は40回を超え、アートプロデューサーとしても展覧会企画や古民家を活用した地域のアートイベントを手がけてきた。構想の三本柱は、①国内外のアーティストと職人を受け入れるアーティスト・イン・レジデンス、②フランス国家最優秀職人章(MOF)受章者の技を伝えるMOFミュージアムJAPON、③戦後日本の前衛芸術資料を保管するアートアーカイヴセンターであり、2025年9月には大阪・関西万博フランス館で大垣市とフランスMOF協会の包括連携協定が締結されている。Xcraftは、この構想を事業として成立させる部分を支援している。

2. Challenge — 課題

依頼は明快だった。活用できる補助金を洗い出し、申請を通したい。だが構想資料を読むと、三本柱は理念としては一体でありながら、収益構造がまったく異なることがわかる。アーティスト・イン・レジデンスは助成金と参加費に依存するフロー型、アートアーカイヴは初期投資が先行するストック型、MOFミュージアムJAPONは集客に連動する型であり、それらの事業構造が整理されておらず、投資額も回収時期も、制度ごとに異なる申請要件との対応関係も見通せない状態にあった。補助金は制度ごとに申請主体・地域要件・協働条件・対象経費等が定められており、事業の輪郭が定まらないかぎり、どの制度がどこに当たるのかを判断できない。

引き受けた問いは、どの補助金に申請するかではなく、この構想のどの部分が、どの収益構造を持つ事業として成立するかである。

3. Approach — アプローチ

4. Impact — インパクト

複数の制度に申請し、現時点で小規模事業者持続化補助金の採択が決定している。これにより、文化倉庫の区画整理・セキュリティ整備・情報発信基盤の構築に着手できる見通しが立った。ただしこの支援の成果は採択そのものではない。理念の言葉でしか語れなかった構想が、事業ごとに数字と時間軸を持つ計画に置き換わったことにある。とくに、案件ごとの単発収入に依存してきた収益構造に対して、月額課金で積み上がる文化倉庫を独立した柱として定義できたことは、拠点全体の財務基盤の設計に直結する。

補助金リストも制度名の一覧ではなく、締切・確認先・次の一手が記入された運用表として先方の手元にあり、次の申請機会は自分たちで拾える状態になった。一施設として閉じるか、地域全体の事業として広がるかは、現在進行形で醸成している地域事業者との接点の厚みが決める。構想を持つ人の隣で、それを事業の言葉に翻訳するのもXcraftの仕事である。

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